2019年10月の駿河湾タチウオジギング @神栄丸

私がタチウオジギングを覚えたのは駿河湾。毎週のように由比港に通い、長徳丸や神栄丸で修行を積みました。ここ最近は東京湾をメインにしておりますが、ルーツは駿河湾に有るのです。
そんな訳で急に故郷(?)が恋しくなり、弾丸で由比港の神栄丸に乗船してまいりました。
久しぶりの神栄丸
予約時に船長からの「ルアーは厳しいかもしれないけど良い?」との問いに「全然問題ないです!」と答えます。時化直後のため状況が分からないとのことでしたが、今日の私はとにかく釣りがしたいだけなのです。
A.M. 3:30出船とのことで少し早目に到着して仮眠を取ります。3時前になると船に明かりが付き、私も準備をしました。

釣り座は右舷ミヨシ。釣り座の選択は基本的に早い者勝ちですが、今回は私以外は餌釣りとのことでオマツリ回避のためミヨシのお立ち台での釣りになりました。
ポイントは清水港沖
人数が揃ったので、定刻前に出船しました。 定番ポイントの富士川沖を予想しておりましたが 、20分程の航海で到着したのは清水港沖です。

他船もチラホラと見えます。神栄丸の凄腕船長は慎重にポイントを選択し、釣り開始の合図。上から30メートル前後に反応有り、潮がやや濁っている状況にまずは鏡牙ジグベーシック100gの赤金で様子を見ます。

ロッドは、実釣時間のほとんどを駿河湾スペシャルである鏡牙AIR 63B-1Sで攻めました。リールはキャタリナTWです。
スローピッチジャークに活路
アタリがありません。ワンピッチジャークを基本に多彩なジャークで攻めますがジグに歯形もつかない状況。餌釣りはポツポツとヒットしている様子。船長より「日が昇ると厳しくなるかもしれないから、暗い間にがんばって釣ってくださいね」とアナウンス。燃えます。厳しい状況でも必ずパターンはあるはず。
試行錯誤していると餌釣りの調子が上がってきました。どうやらピンクのタコベイトを付けた仕掛けが良さそうですので、ジグを同じ鏡牙ジグベーシックのピンクにチェンジします。その1投目。スローピッチ風のリフト&フォールのアクションに触りました。集中していたため、反射的にフッキングを決めることができました。

フォールでアタったため、ジグを鏡牙ジグセミロングにチェンジします。フォールの釣りであるため、普段はあまり使用しないフロントアシストと装着し、リアフックにはタコベイトを被せました。これにより水平フォールし易くなります。
ひたすらスローピッチのアクションを続けることは集中力が要ります。リフトの頂点でジグを弾いてフリーでフォール、テンションを掛けてゆっくりと焦らす様なフォール、少し巻きで誘ってからの突然のフォール。色々なアクションを交えてタチウオを追加していきますが、アタリはフォール中に集中します。

やはり駿河湾。巻き中心の東京湾よりもテクニカルな釣りになります。地域によって性格が異なるのはやはり食性でしょうか?興味深いですね。
沈黙の時間
夜が明けます。明るくなるにつれて太刀魚の反応が下がっていき、最終的に水深80~100メートルの棚になりました。この頃から餌釣りは連発モード。電動リールのモーター音が常に聞こえます。

ルアーは厳しく、太刀魚の歯形すら付かなくなりました。恐らく同じ群れを狙い続けていると思われますので、タチウオを飽きさせない様にジグをローテーションしながらチャンスを待ちます。
終了30分前。迷宮入り。完全に見失いました。
ラストに少し追加して終了
組み立て直すべく、当日なんとかアタリを取っていたスローピッチを捨てました。土壇場で基本に立ち返ります。少し早目のワンピッチジャークを試したところ、指示棚の少し上でジグに何かが触れました。合わせを入れることが出来ませんでしたが、残り時間をこのパターンに賭けます。
使用ジグは巻き性能が優秀なメタルフリッカーです。少し早目のワンピッチジャークを7~8回行い、強めのジャークを2回、一瞬の食わせの間。これをワンセットとして、指示棚より10メートル上までしっかりと繰り返します。
ラスト10分、待望のタチウオを追加することができました。さらに同じアクションでもう1匹追加したところでタイムアップです。

久しぶりの駿河湾は厳しい修行となりました。だがそれが良い!タチウオマニアとして、諦めることなく引き出しを全て使ってやりきった感があります。願わくばもう一度同じ条件で釣りがしたい…!
しかし11月からは神栄丸は夜釣りにシフトします。同じ条件は叶いませんが、駿河湾の夜釣りも独特の雰囲気で楽しいもの。またチャレンジしたいと思います。
駿河湾スペシャルといっても過言でないロッド