飯岡ひとつテンヤ真鯛の竿頭パターン(2023年版)

飯岡ひとつテンヤ真鯛の竿頭パターン(2023年版)

釣れているときは毎日満員御礼状態。人気の梅花丸と幸丸をはじめ、飯岡のひとつテンヤはとにかくよく釣れる…初めて釣りをする方でもいい確率で真鯛を釣ることができるほど。そんな中でも頻繁に通い「達人」と呼ばれるアングラー達はまさに別格の釣果をたたき出します。

この記事ではそんな達人たちに追いつき、満員の船中で竿頭をとるために修行中の私のタックル、仕掛け、釣り方を公開します。梅花丸だけで20回ほど乗船してだんだん分かってきたこともあり、ここ直近は真鯛30枚超えを連続で達成し、船中トップを取っています。

ロッドは重要

私がメインで使っているロッドは以下の2本です。

  • ダイワ 紅牙 テンヤゲーム MX MH-240・R
  • ダイワ 紅牙 テンヤゲーム XH-230

主力はMX MH-240・Rの方ですが、後述する重量級のテンヤの投げ易さという意味でXH-230も外せない一本です。感度は上位機種であるMX MH-240・Rが圧倒的に良いです。

重要は点は、MH以上の番手を選ぶことです。飯岡のひとつテンヤを攻略するうえで避けては通れない「重いテンヤのキャスト」です。船べりから真っすぐ下に落とすだけでも釣れますが、少しでもキャストして広く探ることや、ラインを斜めに張ることを意識するとアタリが倍増します。

詳しくは後述しますが、私は飯岡の重い潮に負けないために12号以上の誘導テンヤをメインで使用します。多くの方が8号前後、釣れないと更に軽くする傾向がありますが、私は12号以上を使います。M(ミディアム)クラス以下のテンヤロッドで12号のテンヤをキャストをするには力不足ですし、フッキング力がしっかりと魚まで伝達しない場合もあると感じます。

感度も重要ですが、まあ最近の専用竿なら問題ないレベルだと思います。何ならSLJロッドやエギングロッドでも代用できますが、やはり竿頭狙うとなれば専用竿が欲しいです。

リールは2500番~3000番のスピニング

最近のリールは本当に性能が良いですね。ダメなリールを探す方が難しいくらいでしょうか。ただし竿頭狙いたいというのであれば、飯岡のアベレージサイズである500グラム前後の真鯛をゴリ巻きして取り込めるだけのパワーは欲しいです。

私はダイワの19セルテート2台をメインに、16セルテートをサブ機としてタックルボックスに忍ばせています。この釣りは根掛かりでの高切れなどのライントラブルは避けられないため、竿頭を狙うなら予備リールは必携です。

メインラインはPE0.8号・リーダーは4号以上

メインラインは当然ですがPEです。YGKのPEラインなら0.8号でもまず切られることはありませんので、操作性が悪くなるので1号以上は使いません。

リーダーは4号か6号を3.5メートルほど。一般的なひとつテンヤの仕掛けとしては太いセッティングだと思いますが、真鯛の食いには影響しないと感じています。それよりも根ずれや、誘導テンヤヘッドの圧力、フグなどが噛みつくことで痛んでいくことを抑えることを重視しています。

リーダーに傷がついて、キャスト切れやアワセ切れをするケースはとても多いです。リーダーの傷は頻繁にチェックしましょう。傷ついたリーダーの先端を切る作業は何度も発生するので、すこし長めの3.5メートルほど取っています。

テンヤヘッドは絶対に誘導タイプ

飯岡のひとつテンヤで中型以下を数釣るためには誘導タイプ一択です。アタリの数も、フッキングできる確率も圧倒的に誘導タイプが高いです。大型真鯛に対しては固定テンヤの方が良いとの声を聴くこともありますが、私の見る限り大型も誘導テンヤで釣られています。

ヘッドのサイズは12号以上です。最近はテンヤヘッド単体では釣具屋に並んでいないことが多いので、45gバレットタイプの中通しシンカーや、タイラバヘッドでも流用できます。というかダイワの2WEYシンカーで十分釣れる。むしろ普通のテンヤヘッドより釣れるかも?

テンヤ仕掛けは自作

仕掛け(針&)は自作しましょう。市販の仕掛けでも釣れますが、すこし針が大きいと感じます。冷凍エビの場合はそれでも良いですが、活きエビの場合は中小型を使わざるを得ないケースが多く、大型の針はアンマッチです。

私はダイワの真鯛針の12号を親針に、10号を孫針にしています。

全体としては、テンヤヘッド→ビーズ→ウキ止めの順でリーダーに通して、仕掛けのスイベルにリーダーを結んでいます。ビーズは気分、ウキ止めは結び目保護のためにセットしていますが、無くてもいいと思います。

あと、実釣時は針先をまめにチェックして必要なら躊躇わずに交換しましょう。特に根掛かり後などは針先が甘くなっていることが多いです。

実釣編:キャストからの一連の流れ

ざっくり説明すると、キャスト→フォール→着底→ズル引き→巻き落としor回収です。

意外に思われる方も多いと思います。一般的にひとつテンヤのアクションはリフト&フォールが基本だとは思いますが、飯岡で突き詰めていくと私は海底ズル引きに落ち着きました。

リフト&フォールするくらいなら、10メートル以上巻き上げて再度落とし込む「巻き落とし」をした方が効率的だと感じています。

キャストについて

キャストは重要です。飛距離も出すに越したことはありませんが、より重要な要素は飛距離ではなくキャスト後半のサミング(フェザリング)によるラインメンディングです。

具体的には、キャストしたテンヤが着水した瞬間に、竿先からテンヤまでのPEラインが「真っすぐ直線」になっていなければなりません。風やテンヤの軌道でPEラインが膨らんではいけません。

飛距離を多少犠牲にしてでも、キャスト後半は強めのサミング(フェザリング)とロッド操作で竿先からテンヤまでのPEラインが「真っすぐ直線」にします。

隣のアングラーとのライントラブルになるだけでなく、釣れる魚も減ります。これについては後述します。

フォールについて

フォール中、絶対にサミング(フェザリング)して軽くラインテンションを掛けてください。海底に着底した瞬間に糸ふけが出ず、竿先からテンヤまで一直線になる位のイメージです。

テンヤの着底の瞬間が最もアタリが出る可能性が高く、そこで糸ふけが出ているとアタリも取れませんし、その間に真鯛は簡単に針を吐き出してしまいます。キャスト時にラインメンディングが必要な理由もこのためです。

※魚は手を使えないので、口の中に吸い込んでしまった針を首を振ったり海水で押し出して吐き出そうとします。想像してみてください。貴方が真鯛だとして、ラインテンションが掛かっていない仕掛けと、かかっている仕掛けのどちらが危険ですか?

このしっかりとラインテンションを掛けたフォール、着底をさせるために12号以上の重たいテンヤヘッドを使用します。

上手くラインを張って着底させられると高確率で真鯛からのアタリがあります。これだけであたりの数が倍近くまで増えると思います。毎投、しっかりとモノにして数を伸ばしましょう。

着底後のアクションについて

前段でズル引き、と説明しましたが、重要な点なのでもう少し詳しく解説します。

多くの方が、着底後はロッドを立てるようにしてアクションすると思いますが、私の場合はロッドを立てません。できるだけ水平以下、できればPEラインと一直線に近い角度にします。

結果、船の揺れや動きで海底のテンヤを引っ張ってしまいますが、それで良いです。船の揺れで糸ふけが出た場合は、ロッドを立てて糸ふけを取るのではなく、竿の角度を変えずにリールを巻いて糸ふけをとります。飯岡ではこのアクションがハマることが多いです。

もちろん、ロッドを寝かせていることで、そのままフッキングにも移行しやすいというメリットもあります。達人は他にも色々な引き出しを持っていると思いますが、私はこのアクションが常に好釣果に結び付いています。

フッキング(アワセ)について

即アワセが基本ですが、「コッ」とか「クッ」みたいなアタリはフッキングが間に合わないと思います。その場合はそのまま待っていると「クククッ」と持っていくのでそこでフッキングします。

フッキングで空振りしても、すぐに回収はしません。そのまま再度海底まで落として糸を張って待つと高確率で次のアタリがあり、そこでフッキングが決まるケースが多いです。

恐らく一度目のアタリでエビの頭が外れ、小さくなったエビをしっかりと飲み込むのではないかと考えています。

ファイトについて

小型の真鯛なら、ゴリ巻きしましょう。丁寧にファイトしている間に、達人は次の真鯛を掛けています。

船に真鯛を取り込んだら、フックリムーバーで瞬時に針を外し、次のエサ付けとキャストに移ります。時合を逃さないためにもフックリムーバーは必携だと思います。

以上、達人にはまだまだ及ばないものの、2023年の私のひとつテンヤメソッドを書き綴りました。これからも飯岡の釣りは進化すると思いますし、この釣り方がいつまで通用するか分かりませんが、レベルアップしたい皆様の一助になれば幸いです。