釣り場にゴミを捨てるのはケシカラン?

釣り場にゴミを捨てるのはケシカラン?

学生時代の話。勝手に私の自転車の前カゴに入れられていたゴミを、友人が突然鷲掴みにして道端(道路)に投げ捨てた事があります。私は投げ捨てられたゴミを全て拾いました。「何だコイツ」と思われたでしょうね。私も同じことを思いました。

彼にとっては当たり前の行為だったのでしょう。その時は非常にビックリしましたが、今思えば根本的に考え方の違う人だったのでしょう。人格が形成されるまでの環境なのか教育なのか人との繋がりなのか。彼と私で何が違ったのか、今となっては想像するしかありません。

※本記事は最終的な答えを出していません。非常に難しい問題の考察です。批判、指摘等あるかと思いますがどうか一個人の想いとして読んでいただければ幸いです。

釣り場のゴミ問題とは?

日本全国ほぼ全ての釣り場で目にするゴミ。本当に多くのゴミが無残に捨てられています。釣り人以外のゴミもありますが、やはり釣り人の出すゴミは多いです。そして釣り場で目につく以上の量のゴミが、水中に捨てられています。

特に漁港や堤防等の公的(?)な施設には多くの釣り人が訪れることから、絶望的な量のゴミが捨てられています。コマセや死んだ魚は悪臭を放ち、捨てられた糸や針は人を傷つけます。漁港を仕事や生活の場としている方にとって、その腹立たしさは並大抵のモノではないと思います。

※「思います」と言いましたが、私たち他の地域から訪れている釣り人が頭の中で想像できる限界以上の怒りがあるためです。現地の被害者の方々に軽々しく「大変ですね」などとは私は言えません。

ゴミを捨てる輩を糾弾しても解決しない

ここからは私の持論になります。

特にSNS上において、このゴミ問題は燃え上がります。中には直接ゴミを捨てた輩に注意する方も居られます。「ゴミを捨てるのはケシカラン」「ゴミは持ち帰りましょう」「マナーを守って楽しみましょう」プロや一般人、SNS上の匿名の方。多くの方がそのように発言し、多くの共感を得ています。

もちろん一定の効果はありますし、こういった行為は今後も続けられるべきです。が、ゴミ問題は解決するのでしょうか?

私は解決しないと考えています。

どれだけマナーを訴えてもゴミを捨てる輩はゴミを捨てるのです。そこに罪悪感はありません。悪いことだと認識しているかどうかに関わらず、彼らにとってゴミはその辺に捨てるモノなのです。

緩い法律で縛っても意味は無い

「公共の場でゴミを捨ててはイケナイ」なんて法律や条例が出来たとして、釣り場のゴミ問題が解決するでしょうか?恐らくしません。よほど厳しい罰則と監視体制が敷かれた場合はその限りではありませんが、現実的ではないでしょう。なにしろゴミはその辺に捨てるモノなのです。国や都道府県による緩い法などより、自身のモノサシが優先されるのです。

バスフィッシングはリリースすることが前提の釣りですよね。意味分かりますか?そういうことです。

考えることが大事

本当に釣り場からゴミを無くしたいのであれば、考えることが重要です。なぜゴミを捨てるのか?なぜ彼らにとって、ゴミはその辺に捨てるモノなのか?思考停止してはいけません。そこに必ず答えがあるはずなのです。

例えばシンガポールでは、ポイ捨てに厳しい罰金制度があります。罰金制度導入以降、年を重ねるごとにポイ捨てを行う国民が減ってきており、コストも軽くなっているそうです。

これは罰金制度がきっかけではありますが、ゴミの無い綺麗な街並み/風景を実現したことにより国民の意識が変化したことが大きな要因と考えられるのではないでしょうか。綺麗に整備された日本庭園や、高級ホテルのロビーでポイ捨てをする方はほとんど居ませんよね。

※近年は富士山のゴミ問題も深刻です。「日本人として」という言い方は嫌いですが、本当に罰アタリです。酷いものです。一度ゴミの溜まった状態を作ってしまうと、他の方もゴミを気軽に捨てやすい心理になるのでしょうね。

日本においては強力な法律という手段もありますが、まずはゴミの無い綺麗に整備された釣り場を維持管理していくことが有効ではないでしょうか。それにより、一人でも二人でも意識を変えていくことが重要です。

結論の出ない問題かもしれません。ここまで読んでいただいた皆さんはどう思われますか?