神津島釣行費用を考える

神津島釣行費用を考える

神津島は伊豆七島の中で最も渡船システムが確立されていて、関東からの日帰り釣行が可能でありながら様々な魚種の超大型が狙える夢のあるフィールドです。伊豆半島周りであれば超大型といえる50センチのクチブトグレも、神津島では外道扱いになるほどです。

そんな神津島ですが、釣行費用は非常に高額になります。本記事では神津島釣行費用の目安をお伝えします。夢のフィールドへ挑戦される皆様のご参考になれば幸いです。

基本的な渡船システム

まずは渡船のシステムを簡単に説明します。神津島への渡船は、基本的には伊豆の下田港より出船となります。

※浜松町からフェリーで行く方法もあり安価ですが、時間的な制約から釣りを一日楽しむことが難しいため本記事では省略します。フェリーの場合は三宅島の方が楽しめます。

下田港にて荷物を積み込みますが、磯バッグやロッドケース等濡らしたくないモノから順に「カメ」と呼ばれる船底のスペースに詰め、バッカンやクーラーは「カメ」の蓋を閉じてからその上に積み込みます。荷物の積み込みは全員で協力して行いましょう!

なお氷は事前に各自で用意する必要があります。

荷物の積み込み後、車を駐車場に移動して船に乗り込みます。スパイクブーツはこの時点で履いておきます。出船前に船室に入り、寝床を確保しましょう。

時期や利用する船により出船時間は異なりますが、概ね午前3時~5時頃に下田港を出船し、約1~2時間程の航海で神津島へ到着します。その間、しっかりと仮眠を取りましょう。

行き帰りの船中で仮眠を取ります

神津島へ到着後、まずは港に入港します。エンジンがスローになると、不思議と目が覚めるのは釣り人あるあるです。船が係留されたら「カメ」より荷物を取りだし、グループごとに分かりやすく纏めておきます。

ウェアやライフジャケットを装着して出船を待ちます。渡礁希望の磯があれば、このタイミングで船長に相談しても良いでしょう。

恩馳か、祇苗か

神津島の渡船は大きく分けて、恩馳(おんばせ)と祇苗(ただなえ)という大きな独立岩礁エリアと、島周りの磯に分けられます。

恩馳は神津島の南西約4キロに位置する、大きな2つの無人島とその周囲の岩礁帯からなるエリアです。水深がやや浅いものの、上物、底物、数釣りが可能で、さらにレコードクラスも狙える超一級エリアです。

磯割システムは無いので、渡船同士の競争です。神津島の渡船は大概の場合、定時になると神津島の渡船が港の外に並び、「よ~いドン!」で一斉にフルスロットルで恩馳島に向かうところから一日が始まります。

祇苗は神津島の東、砂糠山の沖合500メートルに浮かぶ大きな2つの無人島です。水深が深く、青物やマグロ類の回遊も多いエリアです。無人島からさらに独立した岩礁、「平段(ひらだん)」「烏帽子(えぼし)」はロックショアの鉄火場でもありますね。夏以降はキハダ、秋以降はヒラマサやカンパチの超大型が廻ります。

祇苗には渡船同士の磯割システムがあるため、日程により希望の磯に乗れるとは限りません。ただし、当番の船が渡礁させない場合に限り、磯替えのタイミングで瀬替わりできる可能性はあります。

青物、マグロで狙い目は平段、平段カド(干潮時平段と地続きになる離れ磯)、烏帽子、オネエモといったところでしょうか。ただオネエモは泳がせ釣りのイメージがありますね。それ以外のポイントも一級フィールドには違いありませんので、希望の磯に乗れなくても腐らず投げましょう!

釣り人の人数が多く、恩馳や祇苗に乗れない場合は、島周りの磯への渡礁となります。「灯台下」と呼ばれる島の南西エリアから、反時計回りに東側まで好ポイントが続きます。特に灯台下は足元から水深のあり、時に激流となる大場所で、恩馳や祇苗に引けを取らない一級フィールドと言えます。

恩馳への競争。最高に興奮する瞬間です。

釣行費用は

本題の神津島釣行に必要な費用は、以下になります。

  • 下田港までの交通費
  • 渡船代
  • 餌代・氷代
  • 食費

このうち、東京から下田港までの交通費はガソリン代と高速代で約1万円。渡船代は日帰りの場合2.1万円です。

私は海央丸を利用しています

オキアミの高騰

神津などの離島では、上物の場合でコマセはオキアミ3キロ板を4枚から6枚といったところです。しかし悩ましい問題に、「生オキアミ」「ボイルオキアミ」どちらにするかという選択があります。

2011年に追加された南極海でのC重油制限により、オキアミは大きく高騰していて、関東では餌屋にもよりますが生オキアミ3キロ板は1,200円~1,500円程です。ボイルオキアミは更に高く、3キロ板で1,800円以上かかる場合もあるかと思います。

厳しい時代です

神津島ではほとんどの方のターゲットは尾長メジナ狙いと考えられますが、仕掛けを深く入れて海底の根を攻めるというよりは、潮の中を広く流して「コマセの溜まる所」や潮の流れの中で釣ることが多くなり、ボイルオキアミを使用したい場面が多くなります。

しかしボイルオキアミ3キロ板を6枚購入すると1万円を大きく超えます。私はボイルオキアミ4枚に生オキアミ2枚といった形で少し節約しています。

神津島日帰り釣行の予算は4万3千円…

以上を纏めるとこうなります。

  • 伊豆半島下田港までの交通費:1万円(東京発の場合)
  • 渡船代:2万1千円
  • 餌代・氷代:1万円前後(上モノの場合)
  • 食費:2千円(朝食、昼食、飲料をコンビニで購入)

合計4万3千円。交通費を同行者と折半するなら4万円前後になります。

※一泊二日の場合には、上記に加えてプラス1日分の渡船料(8,000円)と、宿泊費(7,000円前後?)、追加の餌代が必要になります。渡船屋が旅館を経営している場合がほとんどですので、連日スムーズに釣りができることは大きなメリットです。

これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれですが、南伊豆方面の沖磯日帰り釣行と考えれば、渡船代以外はそれほど大きく変わらないかと思います。下田~神津間の航海中に船室で仮眠を取れる事を考えると、体力的にも楽ですよ。

夢のフィールド神津島への挑戦料として御一考ください。