キャタリナTW実釣インプレッション

キャタリナTW実釣インプレッション

ネット上で値下げ合戦が続いているキャタリナTW。思わず購入してしまいました。価格帯としては定価が3万円台後半ということで、中級クラスのリールとなります。売れていないのか定価の半額近くまで値下げされていましたが、使ってみると非常に高い戦闘力を持つ優秀なベイトリールでした。

ソルト仕様ロープロベイトリール

まず外観ですが見ての通りロープロ型です。以前より所持している船用小型ベイトリールであるスパルタンRT-TWと比較してやや大きいサイズ感です。

スパルタンRT-TWとのサイズ比較
スパルタンRT-TWとのサイズ比較

とはいえ、パーミングし辛いかと言えばそんなことはないです。タチウオジギングロッドである鏡牙と組み合わせたところ、それほど手の大きくない私でも容易にパーミング出来ました。

パーミングはし易い形状
パーミングはし易い

※ただし、鏡牙とのコーディネートはややセンスが無いですね。キャタリナTWのマットな質感と鏡牙(AIR)の金属的なデザインがマッチしません。性能的な相性は最高でしたが。

東京湾タチウオジギングに使用

東京湾のタチウオジギングでは主に120~150gのジグを使用することが多く、他の地域のタチウオジギングやライトジギングと比べるとやや重たいジグを多用します。そんな東京湾タチウオジギングで一日使用してのインプレです。

剛性が高く巻きが軽い

以前よりロープロリールはスパルタンRT-TWを使用していましたが、この重量のジグをジャークするとやや巻き重りがします。今回120gのジグをキャタリナTWでワンピッチジャークしたところ、1巻目から明確に違いを感じました。これまでの釣りは何だったんだと思うほど巻きが軽いのです 。リールのハンドルでグリっと強めに入力しても、ストレス無く応えてくれます。

恐らくリールのボディと両サイドのプレートが金属で剛性が高いことと、ハイパーデジギアが搭載されていることが大きな要因かと思います。少々の重量を犠牲にしてでも、剛性を重視する私とは嗜好が合います。

サイドプレート
サイドプレートは金属

※過去にfimoブログでダイワの担当者が記載していましたが、両サイドのプレートを金属化することで驚くほど剛性が高くなるそうです。

とはいえ鏡牙SHL等のパワーハンドル付き丸型ベイトリールと剛性を比較すると及びません。その代りに、パーミングやキャスト性能等のアドバンテージがあります。

ドラグが優秀

先ほど述べた剛性により、タチウオがヒットしてもリールの力だけで余裕で巻き上げられます。その際にドラグも初動が非常に滑らかに効いてくれるため、突然の強い引き込みに対してもロッド操作で対応する必要はなく、安心してリールに任せられました。

※ATDというドラグシステムが搭載されており、初動が滑らかで粘るように効くという特徴があります。

またドラグが作動した際に「チチチ…」と作動音がするのも良かったです。気分が上がります。また重たいジグを鋭くジャークした際など気付かないレベルでドラグが滑っていることがありますが、ドラグ作動音(振動)によりそれに気付くことも可能です。

キャストについて

マグネットブレーキのダイヤルが装着されていることからも、キャスト可能であることが分かります。今回のタチウオジギングではシャローに魚が浮いてくることは無かったのでロングキャストによる横方向の釣りは試していません。

代わりに、100g級のジグをアンダーハンドキャストで20メートルほどキャストしたところ、FGノットの引っ掛かりも一切無くスムーズな放出を確認できました。これはTWSの効果が大きいのだと思います。ショアからのキャストも期待できます。

TWS
TWSによりライン放出がスムーズ

キャストについて(2020/09/01 追記)

沖磯でのロックフィッシュ狙いでキャストを繰り返してみました。6号(24ld.)のリーダーを約10m程とり、FGノットの結束をスプールに巻き込んだ状態でのキャストです。

ルアーはダイワのHRFのワームを3/8のテキサスリグで使用。やや軽めのシンカーに空気抵抗の大きなワームでしたが、気持ちよく飛んでいきます。ブレーキ設定は最終的に”7″がちょうど良い感じでした。

キャスト性能は良いです

試しに同行の小学生にキャストさせてみたところ何の問題もなく飛距離を出すことができていました。最近のリールらしく、適切なブレーキ設定がされていればバックラッシュはほとんど起きないようですね。

特筆すべきはスプールに巻き込んだFGノット結束部のスムーズな放出です。数十回のキャストで、一度もトラブルは発生しませんでした。これはTWSの効果でしょう。

総合的に見て、キャスティングにおけるネガティブな要素はありません。優秀なベイトリールと感じました。

マグシールドは非搭載

これはむしろメリットに感じる方が多いのかもしれませんが、ダイワ得意のマグシールドボールベアリングは搭載されていません。そもそもベイトリールの構造上、様々な個所から海水は侵入します。そのためマグシールドが必要かと言うと、個人的には不要でないかと思っております。

※スピニングリールにおいては、マグシールドの恩恵は非常に大きいと思います。

キャスト可能なソルト対応高剛性ベイトリール

上記を総評すると、ショア、オフショア問わずソルトルアーフィッシングの大部分を高い次元でカバーできる非常に汎用性の高いリールだと思います。またルアーに限らず手巻きで行う船からの餌釣りについても大部分をカバーできるはずです。

※そもそも、同じロープロ手巻きリールについてルアー用と餌釣り用を区別してラインナップすることがナンセンスだと思いますが。

最大の特徴は「キャストできる」と「高剛性」という2点。1台所持していれば、様々な釣りに利用できる非常に汎用性の高い高コスパリールです。

※2019年9月16日現在、残念ながら適正(?)な価格に戻った様子です。