鏡牙LBD（レバーブレーキ）インプレッション
本来は磯のフカセ釣りで使用するレバーブレーキリールをタチウオジギングに持ち込む。ダイワ様が提案するレバーフォール釣法ですが、関東のタチウオジギング船では全く見かけません。
ハッキリ言って流行っていませんが、今では私にとって鏡牙LBDは無くてはならないタックルとなりました。毎回船上に持ち込んでいます。もちろん上手くハマらない部分もありますが、使い方次第では尖った武器になります。ややマニアックな内容になりますが、実釣で私が掴んだレバーブレーキのメリット、デメリットについて公開します。
レバーフォール釣法について
私もダイワのプロモーションを真に受けて、最初はフォールでの小さなアタリを獲るための技として導入しました。スパイⅤや鏡牙ジグセミロング等の水平フォールするジグを中心にしばらく使用したのですが、上手くハマりません。
東京湾では120～150グラム前後のジグを使用することが多いのですが、レバーをフリーにしてフォールさせると結構な勢いでハンドルとローターが逆転します。この状態でもタチウオのアタリはしっかりと感じられますが、ベイトリールに対してアドバンテージがあるかと言うと疑問です。特に、フォール中にハンドルが高速で逆転しているためスムーズな「巻きアワセ」に移行できない点を考えると、むしろベイトのほうがフォールの釣りには有効と思われます。
※アワセについてはシマノのレバーブレーキリールに搭載されているSUTブレーキならハンドルが逆転しないため有効かもしれません。逆転中も常にハンドルを握っていられる為です。ただ、フィッシングショーでSUTブレーキリールを回したところハンドルの遊びが大きく、グラグラする印象でした。比較的繊細なジャークも駆使するタチウオジギングでの使用感は、未知数です。
ベールの浮き上がりに注意
鏡牙LBDを使用する上で最大限注意を払わなければならない点は、逆転に起因する糸フケです。
レバーをフリーにしてフォールさせると、当然ハンドルとローターが逆転します。着底等によりルアーの落下が止まっても、慣性で一瞬逆転状態が続きます。すると「ラインは出ていかない状態なのにローターが逆転する」ことによりスプール上で糸フケが発生、大げさにいえばバックラッシュします。
この状態でフッキングやジャーク等の操作に移行すると、フケたラインがベールの中央～奥（ラインローラー以外の部分）に引っ掛かり、ベールを浮き上がらせてしまいます。
上の画像のようにベールが浮き上がると、ベール（及びラインローラー）はその役目を果たせず、スプールからラインが放出されてしまいます。当然、フッキングは失敗します。これはかなりのストレスですが対策はあります。
- 水深をPEラインのカラーパターンで把握して、フォールは着底直前にレバーを握って止める。
- フォール中はロッドを斜め下方向に向け、アタリに対しては大きくスイープ（ゆっくり）気味にフッキングをする。
- スイープフッキングから高速巻きに移行してしっかりとフックアップさせる。
上記は私なりの対策ですが、これを心がけることでベールの浮き上がりは抑えられるようになりました。特にスイープフッキングはフケていたラインをラインローラーまで誘導する効果もあり、しっかりとフッキングが決まります。気持ちいいです。バスフィッシングの経験された方であればすぐに習得できるかと思います。
※そもそも、軽いジグを使用する際は逆転の慣性も小さいため糸フケは気になりません。
ベイトとは違うジャークパターンを組み込める
ここまでデメリットばかりを述べましたが、それを加味しても鏡牙LBDには使うべきメリットがあります。スピニングタックル特有の入力による、他人と違うジャークパターンを戦略に組み入れることが出来る点です。
高速ジャークはスピニングの方がやり易いですし、特に意識しなくてもベイトタックルとは違うアクションを発生させることが出来ます。
この「他人と違うジャークパターン」は非常に重要です。特に、流し替えを行わずに同じ群れを長時間狙い続けるような時は、同じアクションではアタリが続かない場合があります。その際にベイトとスピニングを定期的に入れ替えて狙うことで、タチウオを飽きさせず攻めることができます。
※釣れない時に、人間側のテンションを維持する効果もあります。
キャストで攻められる
浅場のタチウオジギングでは、時にバイブレーションやワインド等をキャストして広範囲に探ることが有効な場合があります。東京湾の満員電車スタイルの船下は大勢のアングラーに攻められてスレ易いですが、キャストすることでフレッシュなタチウオを探すことが可能です。
鏡牙LBDであれば、キャストにもジギングにも対応可能なため１セット用意しておくと何かと重宝します。
人と違うことをすると楽しい
鏡牙LBDは現状全く船上では見かけず、使っているだけで目立ちます。タチウオに限らずひとつテンヤでも鏡牙LBDは有効です。スーパーライトジギングにも使えると思います。それ以外にもまだまだ面白い使い道はありそうです。人と違う事をするのはとても楽しいのです。
