尾長グレと戦うための針とハリスの話

尾長グレと戦うための針とハリスの話

本記事に記載する内容は一般的なグレ釣り師、特にトーナメントの釣りとは一線を画すものとなります。あくまで、私個人の経験をベースに、偉大な先輩達(伊豆諸島のみならず、豆南諸島までの磯釣りを開拓された方達。)から頂いた情報を取り入れ、ロクマル尾長を釣るために実践している内容となります。そのため、各磯釣り関連のメーカー様やトーナメントで結果を残しているプロの方からは相容れない部分もあるかと思いますが、どうか温かい目で見て頂ければと思います。

尾長グレ

この魚以上に私を狂わせる釣りは存在しません。
私が初めて釣ったグレは尾長ではなくクチブトでしたが、「こんなに引くのか!」と驚愕しました。特に伊豆諸島に通うようになった頃、神津島で推定ロクマルクラスの尾長グレをあと少しのところでバラしてしまい、私は狂いました。その時の尾長グレとのファイトは、現在でも鮮明に覚えています。凄かった。

最重要の要素は潮

私自身、いまだにロクマル尾長を釣り上げることはできておりませんが、40センチ中盤~50センチまでの尾長グレは相当数釣り上げました。55センチクラスも複数枚釣り上げています。


伊豆諸島の尾長釣りにおいて、最重要の要素は潮です。間違いありません。やみくもに人気の磯に乗るよりも、良い潮が入っている磯に乗るべきです。そのためには経験を積み、ある程度の予測ができるようになる必要が有りますが、初めは船長にアドバイスをもらいましょう。
初心者だからといって適当な場所に乗せる船は、最低です。一切使いたくありませんね。

ハリスについて

話が横道に逸れてしまいましたが、潮の次に重要な要素が針とハリスだと考えております。
皆様は伊豆諸島、例えば神津島に釣行される際には何号のハリスを使いますか?恐らく3号~4号をメインに、食いがシブければそれ以下の号数に落とす方が多いのではないでしょうか。

私はズバリ、6号のハリスを使います。食いがシブくても、これより細い糸は使いません。むしろ8号に上げる場合もあります。

四国のスレッからしの観光メジナを狙う場合は分りませんが、伊豆諸島においてはほとんどの場合6号のハリスで食わせることができます。むしろ、潮時の短いチャンスタイムにおいては45センチ程度のグレであれば問答無用で抜き上げ、手返し良く次の魚を狙う必要が有りますので、細いハリスは不利です。

私は50センチまでの尾長グレは抜きあげています。

※50センチクラスのクチブトは非常に重いので、竿の破損防止のために糸を持って抜きあげます。

針について

針については、モーリスのzeek尾長グレⅡの7号を使用しています。7号とありますが、この針は一般的なグレ用の針よりも巨大で、7号はその中でも最大サイズ(執筆時点)となります。

なぜ大きな針を使うのかといいますと、ネムリ針の効果で尾長グレの口周りに針を掛け、かつハリスを切られる確率を減らすためです。

小さな針と細いハリスの組み合わせは針を飲まれ易いですし、口周りに掛っても尾長グレの鋭利な歯が針とハリスとの結び目に当たり、切れるリスクが増えます。

こういった大きく重い針を使うためには、太いハリスが必要です。zeek尾長グレⅡの7号に対して3号程度のハリスでは、針の重さに負けてハリスが潮に乗らず釣れなくなります。細ければ良いというものではないのです。

仕掛けのバランスと合わせ方

前述の6号のハリスと、zeek尾長グレⅡの7号の組み合わせは、かなりの確率で口周りの良い場所に掛けることができるバランスです。合わせ方も重要で、「バシッ」と合わせるのではなく、ゆっくりと、しかし力強く竿を立てて、魚が一気に根に潜る力を利用して針を掛けます。

良型の尾長グレは、この針掛りの場所によって獲れる確率をグンと上げることができますので、騙されたと思って試してみてはいかがでしょうか。

なお、良型のクチブトやイスズミに対しても有効なセッティングとなります。

最後に

中々アタリが無い状況、アタリが有っても針掛りしない状況になると、ついハリスを細くしたくなるかと思います。それで釣れる場合もあるかとは思いますが、グッと堪えて潮を見てください。場所を変える、潮変わりに備えて休憩するなりして、その時を待ちましょう。潮が入れば、釣れます。

針以外にも言いたいことはたくさんあるのですが、また機会を見て記事にしたいと思います。それでは皆様、良い釣りを!